みなさん。配当金もらっていますか?
米国高配当はいろんなブログで紹介されているから分かったけど、ほかの国・エリアの高配当株にも投資をしたい!
そんな人に新興国の中で高配当を集めたETFである「DEM」を紹介します。
※ この記事内では、ETFの分配金のことを「配当金」と呼称します。
DEMの概要とメリット
DEMの概要をまとめると次のとおりです。
正式名称 |
WisdomTree Emerging Markets High Dividend Fund |
連動指数 |
新興国市場全体から成長性と収益性を組み合わせた投資選択肢として適合な銘柄に対し高配当利回りに焦点を当てたポートフォリオを構築する。 |
運営会社名 |
WisdomTree |
資産総額 |
28億6千万ドル (4200億円) |
4.9% |
|
運用コスト |
0.63% |
投資先 (上位7) |
中国:25% 台湾:19% ブラジル:12% サウジ:6.6% 韓国:5.7% 南アフリカ:4.7% インド:4.1% |
利回りが5%近い高配当であること、投資先が中国・台湾でおおよそ半分を占めており、そのほかはアフリカ、南アメリカ、アジアと広く新興国へ投資していることが特徴です。
直近の株価チャートは次のとおりです。(VWOとの比較)
黒色がDEM、青色がVWOです。(VWOの紹介は後述します。)
DEMは何と2010年からのチャートで上げ下げを繰り返し、結局-0.67%と全く成長していません😭
比較として、新興国株で最もメジャーなETFである「VWO」との比較チャートとしています。上げ下げのリズムは同じですが、こちらも2010年から30%程度しか伸びておらず、単純な年利回りは2%と、米国の年平均10%を超える上昇からすると全然伸びてないということが分かります。
要は、新興国株投資自体が、この10年間でほとんど注目されてこなかったということです。
それでは、新興国へ投資する意味はないのか?
いえいえ、そんなことはありません。次からDEMに投資するメリットを述べていきます。
新興国株は次の10年の値上がりが期待できる
新興国株と米国を中心とする先進国の株式相場は、何十年と長いスパンで見ていくと、シーソーの関係にあります。
引用元:NEXT FUNDS
グラフが上に伸びている時期が(1994年と2010年がピーク)、それぞれ新興国市場が好調で先進国を上回っていた時期になります。
このグラフは2022年までですが、下にじりじりと下がっているということは新興国株が先進国よりも低迷しているということが分かります。
つまり、1987年を起点とするこのグラフにおいて、10年単位で新興国株が
先進国を上回ったり、下回ったりを繰り返しているわけです。
2010年から始まった新興国低迷は、次の10年間は新興国が先進国を上回る可能性を秘めています。
これが、米国株のみならず新興国株にも投資をしておくべき理由となります。
利回りが高い
新興国株に投資すべき理由は、上で述べたとおりですが、新興国株の今後の上昇は10年単位の長い期間が必要となります。
しかもその間、じわじわと上がるのではなく上がったり下がったりを繰り返します。そんな中でひたすら株を保有し続けるには、安定した高配当があれば精神的支柱となります。
そこで、新興国ETFで最も資産を集めるVWOとの比較をしていきます。
正式名称 |
WisdomTreeEmerging Markets High Dividend Fund |
Vanguard Emerging Markets Stock Index Fund ETF |
連動指数 |
新興国市場全体から成長性と収益性を組み合わせた投資選択肢として適合な銘柄に対し高配当利回りに焦点を当てたポートフォリオを構築する。
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「FTSEエマージング・インデックス」 |
運営会社名 |
WisdomTree |
Vanguard |
資産総額 |
28億6千万ドル (4200億円) |
832億ドル (12兆4238億円) |
4.9% |
3.06% |
|
運用コスト |
0.63% |
0.08% |
投資先(上位7) |
中国:25% 台湾:19% ブラジル:12% サウジ:6.6% 韓国:5.7% 南アフリカ:4.7% インド:4.1% |
中国:32% 台湾:20% インド:20% サウジ:4% ブラジル:4% 南アフリカ:3% メキシコ:2% |
投資先の国はほとんど変わりありませんが、VWOはDEMに比べ、資産は約3倍、運用コストは約8分の1とやはり規模、コストともに勝てませんね。
ただ、唯一配当利回りに関しては、DEMがVWOの1.7倍近くあり、高配当という面ではDEMが圧勝です。
また、5年チャートでは、実はDEMの方が上回っているという点も見過ごせません。
高配当といえでも、必ず通常のインデックスに株価が敗北するわけではないということも注目すべき点です。
つまり、DEMはVWOに加えて高配当かつ、期間によっては株価も上回る可能性があることから、新興国に投資したい方で配当も欲しいという方にとっては、最高の商品であるということが分かります。
セクター分散
DEMのセクター割合は次のとおりです。
よい感じに分散が取れています。
景気敏感である保険業やエネルギー、テクノロジーの割合が高いのが少し気になりますが、一般消費財や通信サービスなどのディフェンシブ銘柄にも投資されているので、ある程度は安心できる範囲で分散されています。
DEMのデメリット
コストが高い
運用コストは、0.63%と少し、、、いややや高いのが気になります。
米国高配当のVYMは0.06%と激安ですから、そこと比較すると高いなぁとは感じてしまう割合となっています。
0.63%の運用コストとは、100万円投資した場合の年間コストは6300円となります。
それを高いとみるか、許せる範囲内かはひとそれぞれではないでしょうか。
私は、新興国株の高配当株へ投資ができるという価値を考慮すると、許せるコストと認識しています。
中国・台湾への比率が高い
DEMは、中国への投資割合が25%、台湾が19%と合わせて50%近くを占めます。
その二国と聞いて「うーん」となる方もいらっしゃるでしょう。
中国については、共産党による一党独裁が続き、国の政策が180度変わるということもあります。(これをチャイナリスクといいます。)
2021年には、過剰な受験戦争を危惧した政権が、学習塾を禁止したことにより、中国の教育関連銘柄が暴落したというニュースも記憶に新しいですね。
歴史的にも中国は日本といざこざを起こすこともあり、そこに投資することを厭う方もいらっしゃるでしょうか。
私もその気持ちが理解できますが、しかし、中国は世界第二位のGDPを有する大国であり、長期間の投資という点であえて抜くということも逆にリスクにもなります。
直近では、格安で高性能なAIを発明したDeepSeekショックも起きており、その影響力、経済力、科学力は無視できません。
台湾については、中国との軍事的緊張感が増している「台湾有事」が気になるでしょう。
しかし、台湾にも世界最大の半導体メーカーのTSMCがありますし、ほかにもiPhoneの生産を行っているフォックスコンなど世界的なメーカーが多くあり、投資先として無視できません。
台湾と中国の緊張関係はここ最近の話ではなく、ずっと昔から言われているので、「昔から軍事衝突は起きていないから大丈夫だろう」と思う人もいれば、「ずっと昔からのもめごとがついに爆発するんじゃないか」と思う人もいるでしょう。
私は、なんだかんだで大丈夫なんじゃないかと思っていますが、どうでしょうか、、、(根拠は全くありません)
ただ、こうしたデメリットがあることから、後述するリスク分散を行っています。
私のDEM投資方針(と私の投資状況)
以上、DEMのメリットデメリットの紹介でした。
DEMには、新興国株の高配当に投資できるメリットがある一方で、デメリットで述べたような高いコスト、チャイナリスク、台湾有事のリスクを有しています。
そこで、私の投資方針としては、ポートフォリオ全体の10%以内に収まる程度に投資をしていく予定です。
ちなみに私のDEMへの投資状況ですが、
となっています。
これまで260万円相当投資をし、含み益が39万円あります。投資利回りは15.17%です。これとは別に配当金を1,089ドル(162,261円)ももらっているので、それも合わせると、総額313万円となり、投資利回りは17.8%です。
なかなかいい感じではないでしょうか。
ちょうど今は全体の10%の保有比率に収まっているので、新たな買い増しは予定していないですが、全体ポートフォリオの増加に合わせてDEMも買い増していく予定です。
<関連リンク>
米国以外の選択肢として、欧州高配当投資信託にも投資しています。